Baumkuchen’s Workshop

バイオリンと電子工作、DIY、ジョギングなど。

シュレッダーの修理(意外な発見)

デスクトップシュレッダーの調子が悪いので修理しました。10年以上は使っているでしょうか。

 f:id:Baum_kuchen:20200406001354j:plain 

症状

紙を入れたあと、数秒間、歯が回り続けるタイマー機能がありますが、これが、最近、かなり長い間待たないと止まらなくなってました。試しに測ってみると、なんと30秒以上。

 f:id:Baum_kuchen:20200406001559j:plain

どうせ、タイマー回路のコンデンサが経年劣化で容量が抜けたか何かで、新しいコンデンサに交換すれば復活するのではと軽く考えて修理をすることにしました。

 分解

早速分解しました。まず、シュレッダくず受けを外し、本体の底のネジを外すと簡単にうわ蓋が外れ、中が見られました。まず、驚いたのは、予想に反して、電子回路の類が一切ないこと。当てがはずれました。

f:id:Baum_kuchen:20200406002157j:plain


タイマー機構

どこでタイマー機能を実現しているか探すと、すぐにわかりました。シュレッダーの刃に連動して動く緑色のスクリューと、モータ停止/動作させるためのマイクロスイッチを動かすクランクシャフトのようなもの。

電源を入れて、動かしてみると機構がすぐにわかりました。シンプルで良く考えられています。

まず、紙を入れるとクランクシャフトが押され、マイクロスイッチをオンにし、モータ(刃)が動きだします。同時に、クランクシャフトの先についている円盤がフリーとなり、ばねの力で、写真で上(緑のスクリューとかみ合う方向)に押されます(写真1)。

紙がなくなっても、この状態だとマイクロスイッチは押されたままだので、モータは周り続けます。緑のスクリューも刃と同時に回転し、円盤を下の方向に押し出します(写真2)

刃が回り続け、円盤が緑のスクリューの端までくると、円盤が外れクランクが回転し、マイクロスイッチがOFFとなります。これd、モータ(刃)がとまり、この状態で安定します(写真3)

再び、紙が入れられると最初の状態に戻り、紙がなくなっても一定時間モータを回し続けるタイマーとしての機能を実現します。

 f:id:Baum_kuchen:20200406002217j:plain(写真1)

f:id:Baum_kuchen:20200406002339j:plain(写真2)

f:id:Baum_kuchen:20200406002317j:plain(写真3)

投入口で紙がなくなったところから、常に一定の回転数だけ刃が動いたら停止するようになるわけで、かなり面白い機構で関心します。

原因

さて、歯が止まるまでの時間が異常に長くなる原因ですが、上で説明した写真にもありますが、クランクについている円盤ですが、紙を入れた直後のバネにおされたときは、軸に対しで大体直角ですが、スクリューで押されるにしたがった、軸に対してかなり角度を持ってきます。

この状態で、円盤がスクリューの端まで行くと、なぜか円盤が中々外れずクランクが回りません。しばらくすると、なにかの拍子に(写真3)のように円盤が外れクランクが回転してモータのスイッチをOFFとします。この間、円盤もくるくる回っているのですが、なぜか途中で引っかかった感じです。

クランクを取り外してみると、写真では良く分かりずらいですが、軸と円盤にかなり隙間があります。また、軸の先では根本にくらべ径がわずかに小さかったです。そのため、先に行くほど円盤が斜めになる傾向があるようです(わずかですが)

 f:id:Baum_kuchen:20200406002357j:plainf:id:Baum_kuchen:20200406002423j:plain

f:id:Baum_kuchen:20200406002438j:plainf:id:Baum_kuchen:20200406002450j:plain

どうも、長年の使用で、軸が削られてしまったのではないかと思います。

修理

最初は、削られた(と思われる)軸の直径を太くすることを考えました。エポキシ接着材を薄くぬり、径を太くしてみましたが、失敗です。エポキシ樹脂と円盤の滑りが悪く、かえって動きを阻害している様です。

では、ということでシンプルに、円盤の軸との触れるところ及び緑のスクリューと接する面にグリースを塗ってみました。グリースは、タミヤのギヤか何かに付いていた余りものです。

 f:id:Baum_kuchen:20200406002506j:plain

結果

するとどうでしょう、動きはばっちりでした。円盤自体は、軸にたいして斜めの状態は変わりませんが、(写真3)の状態になっても、引っかかることなく、すぐに外れクランクが回転します。

紙が切れてから、モータが止まるまでの時間を測ると約6秒で、前の状態に戻りました。

 f:id:Baum_kuchen:20200406002522j:plain

 最初軸が削れたと思いましたが、単にもともと塗ってあったグリースが経年劣化でなくなっただけだったかもしれません。

何はともかく、シュレッダーが完全に復活しましたし、思いがけなく、メカによるタイマー機構を発見することができ、勉強になりました。

簡単な電子回路が入っていると思っていた想像力の無さを痛感します。コスト下げるには、シンプルなメカ機構が必要なんですね。きっと。

 

もったいない精神で、たまに壊れた家電などを修理しますが、修理って色々発見があって面白いです。