実験編
色々考えても分からないので、実験します。
最初に、圧力(弓と弦の接地面積を考えないと行けませんので、単に力とした方が良い)と音との関係を実験します。
バイオリンの基本データなど
参考です。
弦にかかる力(基本状態)
実験の前に、弦と弓(毛)に掛かる力の関係を推算します。弓元で全く力を掛けない(弦の上に弓を置いただけの状態)状態を基準状態とすると、弓の自重により弦にどのくらいの力掛かっているか計算してみます。
http://www.minehara.com/mechnics/bowmechanics/stick_t1_1.gif
自分の弓( Eastman BL-20)の質量を測ると59.9g、弓毛元(x=0)で、42.0g、弓毛先(x=L=650mm)で、17.8gとなりました。これより、重心位置は、弓元から193mmとなります。
この計測のため、0.1gまで測れる新しい秤を買ってしまいました。
dretec(ドリテック) 計量器 はかり 料理 1kg 0.1g単位 ホワイト 1年保証 KS-616WTDI
実際に弾くときは、弦によっても弓の角度が変わりますが、まず、水平状態態を仮定します。ちょうど、D線を弾くくらいでしょうか。また、簡単のため集中質量系を仮定します。
フロッグの先端置(親指のくる位置)を弓を持っている支点とすると、そこが丁度弓毛の始まる位置なので、弓の自重による力wと、人差し指で加圧する力f1 とすると、位置xでの弓と弦に加わるちからfsは、以下となります。
モーメントの釣り合いより
w・lw + f1・lf= fs・x
より
fs = (w・lw + f1・lf) / x
一方、支点に、かかる力f0は、力の釣り合いより
f0 = fs - (w + f 1)
f 1= 0のとき、x = 0 〜 Lでグラフを書いてみると
こうなります(図の矢印の向きを正としてます)。
これから言えることは、f1 = 0のままだと、弓先と弓元では、弦に掛かる力がかなり差があることになります。
では、弓先と弓元で、力を一定( = C)とするためのfはどうなるか?
弓に掛かる掛ける力が人差し指の一点に掛かるとして、
f1 = ( C・x - w・lw ) / lf
となります。C=50gfとしたときのグラフは、
となります。マイナスは引き上げる力ですが、これは、フロッグの小指側を押すことになりますね。グラフを書いてみて以外だったのは、f1が直線になること。
実験構想
実験条件
A線 開放弦
弓速度一定
そのための、実験治具の構想
実験治具構想
イメージです。
要件を整理すると、
- バイオリンを水平に置き、弓を弦に直交する位置に置く、フロッグを保持する治具をレールの上を滑らせる
- フロッグ保持治具 フロッグ中心に対し自由に回転出来ること
- 弓が傾かないこと。また、角度が変えられること。
- レールとの摩擦を減らすコロがあること
- レール バイオリンと直交を保持出来ること
- フロッグ保持治具が水平方向に回転しないこと
- フロッグ保持治具を一定速度で動かすこと
- バイオリンを、傷つけないこと
- 弦と弓毛が当たる圧力を一定に保つため、フロッグへトルクを加えられること
- トルクを掛けた状態で、レールへの取付に問題ないこと
いったところでしょう
か。一編にはできないので、徐々に作成していきます。
(2020.8.23追記)
FreeCADでイメージ作ってみました。
参考
こんなものもあります。治具製作の参考にします。