Baumkuchen’s Workshop

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パソコン修理NEC Lavie LL750/R その後

パソコン(LaVie LL750/R)修理のその後です。

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その後の症状

一旦は、直ったPCでしたが、その後、段々と、と言うか、比較的直ぐにまた音が出なくなってしまいました。

症状としては、時々、バチッという音がして、日に日に、音量が低下していくのでありました。そして、ついに、スピーカからの音が出なくなりました。

なので、しばらくは、イヤホンで聞いているという状況でしたが、最近では、イヤホンの接触というか、イヤホン近く面(赤い丸)に力を掛けないと接触が悪いのか、イヤホンからの音も聞こえない状況が。その後、騙し騙し使っておりましたが、遂に力一杯押し続けないと、音が出なくなりました。どうやら表面実装部品の半田にクラックでも入ったのではないかと。

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代替スピーカ

まず、前回修理したスピーカを見てみます。案の定、酷い状態となっていました。ボイスコイルとコーンが完全に剥がれてました。写真(1つ目)は、スピーカ単体を取り出したものです。

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写真(2つ目)は、修理用に使えるかもと思って買って置いた極小径のスピーカです。φ20、8Ω、1w。本当は4Ωが定格ですが探せませんでした。

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代替スピーカは、直径がΦ20で、スピーカボックスの穴にピッタリハマりました。周りをシリコーン系のパテで埋めてます。

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PCに組み込んだところです。なぜか不思議と音が出てます。ただ、インピーダンスが合って無いので(4Ωのスピーカは見つけられず)、音が小さめです。

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接触不良

基板の接触不良の箇所を特定します。明確に力を掛けると音が切れるので、簡単に見つかるだろうと思っていましたが、甘かったです。

まず最初にやったのは、基板に力をかけるとイヤホン出力の電圧がどうなるか。実際、イヤホン出力の電圧をオシロで確認しながら基板の隅を押すと確かに電圧が出なくなります。ただ、押しても切れない事があったりと、どこら辺が怪しいかの検討がつきません。

ついで、上のスピーカを修復する前に仮に繋いでみた時に、基板に力をかけるとイヤホンからの音が切れて、代わりにスピーカから音が出るような事がありました。これは、単にイヤホン出力が出なくなると言うことでは無く、スピーカとイヤホンの切り替え制御が上手く言って無い様でした。道理で、Windowsのステータスバーがイヤホンをつないだ時の様にチカチカしていたはずです。

RealTeckのIC(搭載してる型番のものは見つからなったので、一番近いと思われるもの)のデータシートで回路図を確認すると、イヤホン、マイクの接続判定用の端子がありました。グランドに落とす抵抗(シンク電流)の値によって判定しているようですね。回路図の赤丸のところを基板から探して、どうなっているかを確認してみました。

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丁度13番ピンとその上にある2つの抵抗がそれで、左がイヤホン、右がマイクにつながっていました。グランドにショートする形なので、IC側は常に3.3Vで、抵抗を挟んだ接地側は0V(イヤホン接続時)で本当はなにも差が無いはずです。ところが、イヤホンから音が出なくなるときは、なぜか、ICDの足(の半田)のところで0Vになっている様でした。

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試しに、イアホンをつながない状態でも測ってみましたが、やはり、基板に力を掛けると3.3Vから0Vになる時がありますが、押し方が同じでも変化が無いときもあります。

この時、同時に、スピーカからかなり大きな音で、ガリッと音がすることもあります。正確にそのタイミングで測った訳ではないですが、このICはD級アンプなので、スピーカーの+とー端子には、常に1.5V位が掛かっていて、その差分により最大+3-3Vの出力を作っているので、どうもこの1.5Vが0Vになるようです。これが、イヤホンとスピーカの切り替えで起こるものなのか、それとは別の大元の原因で起こるものかは分かりませんが、いずれにしれも、定常状態で1.5Vがスピーカ両端に掛かることになり、4Ωのインピーダンスとしても1.5Vx1.5V/4.0Ω=0.56Wが常時掛かることになり、実際には直流抵抗はもっと小さいのでスピーカの発熱量が大きくになりボイスコイルとコーンが分離したり、ケースが変形したりしていると推定しました。

では、何故このピンが0Vになるのか。可能性は3つ。①このピンがどこかでショート。②ICと半田の間のクラック(断線)。③IC自体が電圧を出さない(別にICの入力などが異常)。①は基板の実装を見る限り可能性は低そうです。②はあるかもしれませんが、見た目は分かりません。もっと拡大率を上げればひょっとしたらわかるかな。ということで、③の線を疑って、まずは、ICへの電源ラインが落ちていないか確認してみました。テスターのプローブを細いピンに当てながら基板に力を掛けるので、かなりやりずらかったですが、一通りやってみて、異常は分かりませんでした。他の入力ピンなどでは、検出用の13番ピンの電圧を変えることは無いだろと思いやってません。

で、結局、②の可能性を疑い、とりあえず、13番ピンの半田を当ててみることに。表面実装用の細い半田ゴテもなかったので、かなり難しかったですが、13番ピンが一番端であったので、何とか出来たかな?

結果は、一応治った感じです。ただ、13番ピンの断線では、スピーカ端子が0Vになる理由は分かりません。原因の分からない接触不良なので、たまたま、発生していないだけかもしれませんが、とりあえず再組することに。

結果

ということで、仮にも治った感じになったので復元を開始しました。スピーカは、左側も壊れていたんですが、今回直したスピーカも再度故障するかもしれないので、様子見として、今回は手を付けないままです。

おわりに

極小径のスピーカがピッタリはまって何とか復活しました。いまだ、接触不良(とスピーカ電圧0V)の原因は不明ですが、しばらく使ってみて様子をみます。音量が少し小さいですが、ボリュームを上げれば何とかなる範囲なので、それは、我慢します。

 

本当にこれで、パソコン修理が完了したかは、追って、報告することにします。最後までお付き合い頂きありがとう御座いました。